今回の「組合員探訪」はグローバル・リレーションズ株式会社様です。
本社はJR田町駅東口から徒歩約10分、旧海岸通りに向かったところにあります。
代表取締役 諏訪 光則様にお話をうかがいました。
会社概要
海外IT人材の調達により日本国内IT業界マーケットへ貢献をしているベンチャー企業です。一般派遣事業許可取得による海外人材の派遣、SES事業の展開、受託開発~オフショアへの事業展開を行っております。また、代表の個人的な取り組みとして神奈川県逗子市に焼肉のフランチャイズ店を開店し経営をしています。
貴社設立のきっかけについて
「ある誤解をうけたことが会社を設立するきっかけになりました。私の前職は従業員千人以上のシステム会社です。オーナーの存在が大きな会社でした。2015年7月まで所属し、最終役職はIT営業部のマネージャーでした。」
「数年前、IT事業部を束ねていた事業部長が部下数十人を引き連れ、お客様や仕事まで持って別の会社に移ってしまったのです。大騒ぎになりました。その移った社員たちと私は仲が良かったのです。事業部長とは仲が悪くて私には声をかけてくれなかったのですが(笑)、会社からは私も一味だと思われてしまったのです。組織の立て直しをするので、私も会社側に立って一生懸命協力しました。それでも疑いが晴れず、まともな仕事に絡められず窓際に、いや窓もないところに追いやられてしまいました。私がいても意味がない、辞めざるを得ない状況の中で、ITに特化した人材の会社を立ち上げてみようと思ったのがきっかけでした。そうでなければ私はその会社が好きだし、今でも辞めていなかったのかも知れないですね。」
「社員が移った会社を損害賠償請求で裁判に訴え3年くらい続けていたようです。オーナー企業でしたので、お金はいくらかかってもいいからと。執念で絶対に許さなかったですね。今では結審したのですが、私の疑いは今でも晴れてないようですよ。(笑)」
「設立時は、IT人材の会社を作ろうと漠然と考えていたのです。しかしこれから日本人技術者が少なくなってくるので、外国人技術者の採用を主に行い、研修会社やパートナーさんとの連携などを強めていく方向・指針を決めてスタートしました。」
ご苦労されたことは
「今は、海外の人材に対するニーズが少しずつ増えてきましたね。しかし、2015年の創業当時は、外国籍不可とか(今でもありますが)、普通に差別用語じゃないかと思うくらい条件付きでした。外国人でもいいですよって言っていただける案件の数は、まだまだ圧倒的に少ないと思います。」
「現在、社員は10名ほどです。またパートナーさんから30名以上契約させていただいています。もちろん社員の採用に力を入れておりますが、同時にパートナーさんの開拓にも力を入れています。以前の会社時代にお付き合いのあった30社くらいのパートナーさんが、『一緒にやってもいいよ。』と言ってくれました。しかし20~30社というのは多いようで実際は少ないのです。入る情報も少なくて限られていますし、採用した人材を提案してもなかなか決まらないことが多くて苦労していました。」
今、力を入れていることは
「海外の人材を一生懸命、採用しようとしています。先般も採用でき、結果として見えてきたところです。現在日本語学校ではネパール人やベトナム人、タイ人向けに、ITの教育を積極的に行っています。そのような学校で、来年卒業する人をターゲットに会社案内や採用活動を行っています。少しずつですよ。一気にはできないので。METSAの商談会などにも外国人の方が多く参加していてびっくりしました。」
「ベトナム人は、評価が高いです。日本に来てビジネスで成功したいという気持ちが強いですね。インドネシア人やネパール人も評価が高いです。すごく勤勉で日本語がうまいのです。特にネパールの人は本当にうまい。発音の仕方が日本語に向いているのかなと思います。また日本に来れる人はその国の中でもトップクラスです。根性もありますし、日本語やIT技術を真剣に勉強しています。日本での経験が、将来自国に戻って貢献していくのか、日本に残って就労人口につながっていくのかわかりませんが、後者の方向になっていくといいですよね。日本政府も戦略的に進めていますし、その方向にならないと納税者が少なくなり消費税をどんどん上げざるを得なくなると思います。」
会社の強みについて
「強みは、組合に加入したおかげで、パートナーさんの数が先ほど30くらいといいましたが、現在は300社くらいなっていると思います。日々、いろいろな方とコミュニケーションを取れ情報を頂いています。」
「その中で、割と大手会社さんと話していても、『人がいない、人が来ない』と。『どことお付き合いしているのですか。』と聞いてみますと、結構大きい会社さんに頼んでいるのです。『じゃあ、うちで探しましょうか。パートナーさんを探せますよ。』と迅速に適切な人を提案できる。それは結構強みだと思います。」
組合との出会いについて
「設立後間もないころに、運転資金繰りや雇用関係の助成金をWEB上で検索していました。件数が多く、提出時に何度も書き直しが予想されるので、お金はかかるが社会保険労務士のプロに任せたほうがいいのではないかと思いました。探していると中島社労士にたどり着き、ここがいいかなと思いました。説明会を開催しているので申し込んで行ってみると、お弁当を食べながらのざっくばらんな説明会でした。METSAのことは全く知らずに中島先生に助成金でつながりができたのです。助成金申請の依頼や、顧問先がまだ少ないときだったので『社会労務士的なこともやってあげるよ。』、『それではお願いします。』と。今でも顧問をやってもらっているのです。ふとした会話で、『採用した人材が本当に決まらないのですよ。1か月ちょっと遊んじゃった。』とポロッと言ったら、中島先生が、『教えてあげるよ、すぐ決まるよ。METSAに行ってみな。』と。会社設立して3か月後くらいですかね。すぐに加入しました。」
組合に求めることがあれば
「一時より、本当に外国人が多くなって、僕らがやろうとしている方向感に図らずとも近くなっていると思います。社会の趨勢が、熟年世代はどんどんリタイアし、若い人が少なくなってきている中で、少しずつ外国人が採用される案件が出てきつつあります。また営業担当が外国人になっている会社が増えてきています。2020年のオリンピック開催を境に少し景色が変わるのではないかと思います。IT業界の方向が外国人を積極的に採用する方向にかじを切り、必然的に組合もそうなっていくでしょう。私たちもその方向で広がっていき相乗効果があると思います。私たちもお役に立てることがあると思います。」
組合はお役にたっていますか
「本当にMETSAに入ってよかったです。商談会もそうですし、そのあとのパートナーさんと一緒になってつながっていく。また、質も必要ですけど、量が必要ですよね。多分圧倒的量がないと質は生まれてこないと思うのです。METSAにはそれがありました。私たちのような小さい会社では営業担当も少なく足では稼げないです。情報戦の中で人材と案件をマッチングして行かなければいけない。決めるための手順があります。圧倒的な量や機能がある組合に加入してよかったと思います。採用にもつながっていくでしょうし、また各パートナーさんには得意分野や強みがあるので、『弊社はそこが弱いので助けてください』と言えます。協業ができるのがいいですね。」
「その後、いろいろな協会や組合があることはわかりました。普通のサラリーマンは知らないですよね。東京商工会にも加入いたしました。」
「また共同求人人財育成委員会にも参加させていただいております。留学生の多い専門学校の見学や合同企業説明会に参加しています。」
「今は時期的に健康診断の時期です。組合の健康診断サービスを1年に1回使わせていただいています。」
派遣法取得について
「派遣法改正に伴い労働者一般派遣を取りました。そのためにオフィスを移転いたしました。Pマークについても取得検討中です。本日、JAPICOマークというものを教えていただきましたので、資料などをいただいて検討していきたいと思います。」
焼き肉屋の経営について
「実は、定款にIT事業とは別に飲食業を入れているのです。いつかは飲食業をやりたいと考えていました。それで今、逗子市の京急駅近くで焼肉屋を経営しています。『さすらいのカンテキ』という名前の店です。『カンテキ』とは焼き肉を焼く七輪のことです。逗子はローカルな町なので、顧客がつくまでには時間はかかりますね。ただ市内に焼肉屋はそんなにないのです。そして高級住宅街と言われている住宅街が同じ方面にありますので来てくれる客層はすごく良いのです。少しずつですが右肩上がりにはなってきました。焼肉コンテンツはやはり強いですよね。顧客からは『焼肉の店ができて気になっていたんだよ。肉食いたい!』みたいな話がでて、需要とマッチしていると思います。」
「飲食をやるにあたって、仕入れ先とかその業界内のクローズドな情報がいろいろとあるのですね。そこにパイプをつなげていく方法は、フランチャイズの専門家たちとつながっていくことだと思います。2年ぐらいフランチャイズ情報を調べました。その中で京都の焼肉屋のフランチャイズ『さすらいのカンテキ』は、おもしろい社長で、契約が緩いのです。『肉さえ仕入れてくれればいいよ。』くらいの感じで、『ロイヤリティは固定だよ。』と。そんなことあるのですね。通常は売上の何%ですよね。商売っ気がない感じなのです。」
「働く人が不足しているので、海外から採用した外国人を働かせてみたいです。うちの研修は焼肉屋から始めるかという感じですね。コミュニケーションの勉強になると思います。お客さんと話せと。自分から話しかけていく。相手は酔っ払いなので、話の内容はよく分からないと思いますが、時間をかけずに理解できるのではないかと思います。」
「半年間ぐらいは店舗に張り付いて頑張ってみようと思います。閉店時間をもっと遅くしたり、ランチ需要をとりこむことも検討したいのです。また、飲食業は3店舗以上持たないと利益化するのは難しいので、今後どうやって経営をしていくのかが課題です。大変ですが、本部のフォローはもうかなり手厚くやってくれます。現在フランチャイズ店舗はまだそんなにないのです。ホルモンの安定供給をするためには店舗数に限度があります。 その中でこれから複数の店舗を任せていただけるのか頑張りどころです。体がもたないかもしれませんが・・。」