株式会社横芝 梶原代表取締役社長に話を伺いました。
1974年の創業と大変長い歴史を持つ会社です。株式会社富士テクノホールディングスのグループ会社の一員として、代表になられて10年になります。毎年売上高を伸ばしており、グループ全体の成長に貢献しています。横浜市・川崎市の企業様を中心に、ITインフラ設計・構築・運用、システム開発、セキュリティ診断・解析、機械設計・CAD関連業務など高付加価値・高品質な技術サービスをご提供しています。長年培った信頼と技術力により新たな価値創造に挑戦し続けています。
会社を引き継いだきっかけについて
前職は伊藤忠商事のグループ会社で人事・人材系の会社に所属しており、取引先でありました、富士テクノソリューションズ(現在、富士テクノホールディングス)の髙井会長から、「新しく会社を買ったので、社長を探して欲しい」と依頼を受けました。
伊藤忠グループの企業やその他の取引様から社長候補者になるような方へお声かけをしていましたが、派遣業がメインで社員数25名程の規模の会社を引き受けてくれる方はなかなか見つかりませんでした。
髙井会長とは何度か「見つかった?」「見つかっていません」というやり取りを繰り返していました。
私は、いつまでに後任の社長を決めないといけないという事はしりませんでしたが、かなり期限が迫っていたようで、いきなり「今度の取締役会までに決めなければならない。梶原さんやってくれないか?」と言われました。
あまりに急な出来事であり、サラリーマンとしましては事業部長までしかやったことがなく、社長といわれてましても何をやって良いのかわからない状況でしたので、一旦考えますと回答しました。
当時、職場環境や仕事内容は大変充実しておりましたし、転職は考えてもいませんでしたが、伊藤忠グループからパソナグループへの株主変更等があり、会社も大きな転換期でもありましたので、色々と考える良い時期ではありました。
色々と考えていましたが、考えていても現状は何も変わらないので「とりあえずやってみよう」と決断し、社長を引き受けました。
社長を引き受けていかがでしたでしょうか。
会社案内を見ると社員数25人で多くの社員が東芝で就業している聞いていました。
ところが、就任直後に6名のオペレータしかいないという事実が判明した際にはかなりの衝撃と愕然、唖然としました。
当時の売上げは月間300万円前後、年間4千万円前後という状況でした。
また、私の報酬を頂くと毎月赤字となりました。
さらに困ったのは、社員が6名しかおりませんでしたので、各大手企業様と新規取引口座の開設が困難であったことでした。
これはかなり厳しい状況でした。
社員への思い
就任当初は会社に入社して頂く際に、この会社で皆を幸せにできるのか安心して働いてもれえるかと不安でした。
まずは事業を拡大し安定した利益を出し、会社として世の中に認めてもらえる会社にしないといけない等、様々な想いでやってきました。
現在は就任時の状況とは異なり、経営も安定してきており、企業調査会社様からも、それなりに評価を頂けるまでになりました。
今後も社員の皆様が安心して働ける会社と思えるようにしていきたいと考えています。
支えて頂いた方への感謝の気持ち
就任からこれまでいろいろな困難がありましたが、今年社長になってから10年が経ちました。
社員も6名から60名に、売上も約4千万円から約5億に。
この間、経営者として無知だった私に寄り添い色々なアドバイスを頂きました税理士の先生をはじめ伊藤忠の方々、先輩等にご指導頂いたことにつきましては、心より感謝しています。
会社を引き継いだ際は精神的にもかなり厳しい状況で何度も諦めかけたり、自暴自棄になったり、答えが見つからず苦労しました。
しかし、今は挑戦して良かったと思えますし、この苦しい状況を乗り越えたことでかなり自信がつきましたし、仕事をする上で本当に大切な事も学んだと思います。
この経験は、これからの自分自身の人生の節目節目の選択にも大きな影響を与える経験となりました。
あの時「とりあえずやってみよう」と判断して本当に良かったと思います。
今、同様の依頼を受けていたら、間違えなく受けていませんので、人生は本当にタイミングというものは重要だと思います。
今後はこの貴重な経験を活かし、微力ながら社会に貢献できるよう努力していきたいと思います。
今後の方向性について
現在のビジネスにおきましては、お客様のニーズにお応えできる仕組み、体制を作っていきたいと考えています。
また、昨今、急激な人口減少、DXなど様々な課題があると思います。
私どものような中小企業は既存のビジネスを継続していても拡大どころか維持もできないのではないかと危機感を抱いており、新規ビジネスにも積極的にチャレンジをしていかなければならないと考えております。
世の中の課題を解決をできる会社に
弊社のスローガンでもあります。「HUMAN INNOVATION To the future Challenge yokoshiba」
弊社は、全社員がさまざまな現場で「仕事や組織の未来のために」変革への挑戦を行い続ける企業でありたいと想い、このスローガンといたしました。
慣習化されている仕事や組織を凝視し、まだ誰も見つけていない「何か」を探し出す。
暗中模索の苦しい時間が続くかもしれませんが、考え尽くした末に自分にしか見えない「答え」が浮かぶ瞬間、イノベーションを生み出せるのではないかと考えます。
まだ誰も見つけていない「何か」を探し出すことにより、これまでに無かった仕事や組織の未来を創り出し、企業価値向上を行って参りたいと考えています。
世の中の課題解決のために、何ができるのかを深く考え、常に挑戦を続けて参ります。
METSAに期待すること
私のように経営のことをあまり知らずに経営者になる人もいるのではないかと思いますので、経営に必要な基本的な経理や社会保険関連などセミナー等開催頂けると幸いです。